GTRC
権田金属の技術
GTRC
Gonda Twin-Roll Casting
高速双ロール鋳造・温間圧延による
マグネシウム合金薄板の量産開発
双ロール鋳造技術とは溶融金属から直接金属薄板を鋳造する技術であり、従来の薄板製造方法と比較して工程数を大幅に減らすことができます。特に当社が開発したGTRC(Gonda Twin-Roll Casting)は、双ロール鋳造の高速化を実現し生産性をさらに高めることに成功しています。
GTRCはAZ31以外にもAZ61・AZ91・AM60等多岐にわたる合金を製造することができます。なかでもAZ61は強度、表面処理性、プレス性に優れた製品を製造しています。
さらに、新たに「難燃性マグネシウム合金板」の生産を開始しています。当製品の特長は、800℃以上に加熱しても溶解するだけで燃焼しない難燃性にあります。この特長を活かし、建材等への利用が期待されています。
マグネシウム製品製造の難しさ
アルミニウムや銅に比べ、マグネシウム素材の熱間圧延や熱間押出しは難しいものです。
熱間圧延の繰り返すと板表面の割れに繋がってしまいます。
熱間圧延の繰り返すと板表面の割れに繋がってしまいます。
従来の製造方法:TRC(双ロール鋳造)とは?
TRCは19世紀中期に鉄の鋳造のために開発された技術です。1930年代にアルミニウムに、1980年代にマグネシウム合金に転用され、現在では薄板材の主要な製造方法となっています。
TRCでは薄板が直接製造できるので、熱間圧延工程が大幅に削減可能です。これには設備や工程の削減と、省エネルギーを実現できるという利点があります。欠点としては鋳造速度が遅いことと、鋳造出来るマグネシウム合金が限られていることがあげられます。
GTRCの特長
板に割れのない高速鋳造を実現
GTRCは、「Rapid Cooling Hi-speed casting」という急速冷却システムにより、TRCの欠点であった鋳造速度を大幅に改善し、高速鋳造を可能にしました。
さらに研究を進め、現在では多様な合金を鋳造することが出来ます。2003年に日本特許、2007年に主要国で特許を取得しています。
1.0mmの圧延板が製造可能
従来の薄板の製造方法は溶解・鋳造工程で約80 mmのブロックを製造後、加熱・熱間圧延を30回程度、繰り返す必要があります。しかし双ロール鋳造ではt=2.0~4.0 mmと薄い板が直接製造できるため、その後の圧延工程を数回行う程度で1.0mmの圧延板が製造できます。
従来の10倍以上の鋳造速度
冷却方法の改善により、従来の10倍以上の鋳造速度が実現できました。
いろいろな種類のマグネシウム合金を鋳造できます。
GTRCで容易にカルシウム入りマグネシウム合金板が製造可能
GTRCでは、難燃性マグネシムも製造が可能です。
AZX611とAZX612の場合、それぞれ約1%と2%のカルシウムが、AMX601とAMX602の場合もそれぞれ約1%と2%のカルシウムが添加されています。
AZX611とAZX612の場合、それぞれ約1%と2%のカルシウムが、AMX601とAMX602の場合もそれぞれ約1%と2%のカルシウムが添加されています。